食事の傾向と歯周病の関係
2021.01.18更新
院長の古畑です。
最近当院のブログではよくお料理の話題が出てきます。
歯科医院なので、頑張って歯を治療することができた後は、食事を美味しく摂っていただけることがやはり嬉しいのですが、食事の傾向がお口の健康に影響することがあるのであれば、やはり考えなくてはならない問題になります。
例えば、痛かった入れ歯が痛くなくなった時。
急に食べられるようになるのですが、痛い時に食べられるものを食べていた食習慣が簡単に変わらないかもしれません。「とりあえずカロリーになるものを・・・」と食べていた習慣が、食べられるものが増えた後も続いてしまうと、栄養が偏ったり、カロリー過多になってしまい、体調を崩してしまうようでは本末転倒です。
FDC COOKINGではその辺りについても、これまで以上に充実した内容をご案内できるように取り組んでいきたいと考えています。
さて、本題はちょっと違います。
最近の外国の学会の論文誌に
「食事の傾向は歯周病の進行に影響するか?」という疑問に取り組んだ研究が掲載されました。
(A Alhassani, et al(2021) The associations between major dietary patterns and risk of periodontitis.J Clin Periodontol 48, 2-14)
西洋食(肉や卵,チーズ,バター、精製穀物などが中心の食事)型の生活の方と
地中海食(豆、魚、鳥、野菜、果物、非精製穀物などが中心)型の生活の方の歯周病の状態の変化を比較した研究です。
これまでこういった研究はされていなかったのでとても興味深く読みました。
結果は「全体としては西洋食・地中海色は歯周病の進行には影響しない」というものでしたが、
「肥満の人に限って、地中海食の人の方が西洋食の人よりも歯周病の発生率が23%低い」
という結果も出ています。
体重が気になる方は、歯周病のコントロールのためにもやや地中海食よりの食習慣に変えてみても良いのかもしれません。
(地中海食は糖尿病の発生リスクを上げるという指摘もあるので糖質の摂取量には注意が必要です)
今後も食生活の傾向が歯周病に与える影響についての研究で、面白いものがあればご紹介します。
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